2005年4月7日

来月に迫った講演の原稿の骨格が、ようやく出来上がりました。大学を卒業して以来、23年間一度も早稲田大学の付近には行ったことがないので、どんな様子か楽しみであります。

今日のドイツの新聞には、日本と韓国・中国の間の政治的な関係が悪化していることについて、かなり詳しい記事が載っていました。韓流ブームとか言っている間に、政治面ではどんどん感情が悪化しているというのは、残念なことであります。シュミット元首相が「日本にはアジアに友人がいない」と言ったことがありますが、残念ながら本当だと思います。日本がべったりなのは、米国だけでしょう。

ドイツのコール首相は、1990年に統一について周辺各国の理解を得るために、シレジアの返還をあきらめ、かつてこの地域に住んでいて追放されたドイツ人たちに、財産をあきらめるよう引導を渡しました。私は現在ポーランドであるシレジアを旅行したことがありますが、ドイツ風の建物がたくさん残っていて、この土地を永遠にあきらめるには、かなりの覚悟が必要だったろうなと思いました。

さてそれに比べると、絶海の孤島の領有権をめぐって争う日本と韓国は、土地への執着がかなり強いという印象を持ってしまいます。こんな考えを持つのは、1万キロ離れた所からわが国の様子を見ているからでしょうか。